―カミーラ勝利編 サイコロが止まる。出目は1だ。むろん、あがりには届かない。 だが、これはランスが作ったすごろく。何も指示のないマスは一つもなかった。 「……私の勝ちだな」 指示を一瞥してカミーラ様の勝利宣言が出た。 『最寄のマスの相手と腕相撲をする。勝てばあがり。負ければふりだしに戻る』 カミーラ様に腕力で勝てる者などホーネット様くらいのものだ。 一番近いのはアールコート様。怖気づくかと思ったがそうでもないらしい。 なにやら呪文を唱えやる気のようだ。おそらく強化系の付与魔法だろう。 しかし。 「はぅーー」 「……相手にならんな」 元値が低いため強化しても無駄だったようだ。 勝負は一瞬でついた。 勝者は悠々とランスの前に歩を進める。 「では賞品を受け取ろうか」 「どうするつもりだ?」 「城へ招待する。来い」 来いといいつつカミーラ様はすでにランスを小脇に抱えている。そのまま飛んで帰る気らしい。羽ばたき浮き上がり、何を思ったか反対側にシィル殿を抱えて行ってしまった。 勝負が決まってからが一瞬だったので止める間もなく。ホーネット様もカミーラ様がいなくなってから正気に戻っていた。 カミーラ様の居城に拉致られたランスとシィル殿。 何ゆえランスだけじゃないんだろうか? 変な属性に目覚めてたりして……。 その後、マルチナ殿が魔王城のサクラ&パスタに招待してくれて、敗者たちは新年の大宴会となった。 ただ、宴会の状況を詳細に語ると頭痛がするので簡潔に終る。 魔王自棄酒、城半壊。 ……やはり、私が勝つべきだった。 そうすればもう少しましな結末になっただろう……。 |
カミーラエンド カミーラ&シィル攻め、ランス受け。 を幻視した。 |