―リセット勝利編

サイコロの目は6だった。
文句なしにあがりである。
「きゃ〜!! やったーーー!!」
「ちょ、待て、リセ――げふっ!?」
勝利確定→リセット様ダッシュ→人型魚雷化→ランス被弾。
……嬉しいのはわかるのですがはしゃぎすぎです。腹に頭突きを喰らったランス、悶絶。
当然鎧など着けてはいない。
「ゴメンね、パ〜パ」
「げほげほ……もう少し落ち着きを持て」
「は〜い。で、リセットのお願い聞いてね」
「何でも聞くわけじゃないぞ? 俺にでも無理なことはある」
リセット様はとびっきりの笑顔で言ってのけた。
「リセットの初めてをもらって」
「無理」
ランス、即答。ひたすら気まずい沈黙。振り返ると敗者の方々がこそこそと部屋を脱出していく。ゴールに近い場所にいる私やワーグ様、アールコート様、カミーラ様は脱出の機会を完全に逃した。
「ぶ〜、なんで?」
「あのな、前から言っているだろうが親子ではその気になれん」
「親子がどうのこうのって人間の倫理でしょ? リセットはカラーだし、パ〜パも元魔王だし全然オッケー?」
「ダメ」
他の女には簡単に手を出すくせに愛娘だけはさすがに別格。他の女性が同じように迫ればどこでだってOKしただろうが……。
「それに、リセット上手いよ? その気になれなくても大丈夫。すぐに臨戦態勢にしてあげるから」
「あのな……いったい、誰で練習したんだ……?」
「ん? 無敵で」
……恐るべしリセット様。
ランスも黙り込んでしまった。
私は徐々に後ろに下がる。ここにいると巻き込まれそうなので。
ランスが視線で助けを求めている。だが、シィル殿ですらそれを振り切った。
ランスとリセット様だけになったのを確認して部屋の扉を閉める。
……あとは野となれ山となれ。
「薄情者―――!!」
ランスの叫びが聞こえた気がしたが……気のせいにした。

――後日

「で、結局どうしたんだ?」
あのバカ騒ぎから2週間ほどして、アイスに行く用があった私はついでに(←ここ重要)ランスの顔を見に行った。ランスの家から程近いカフェでバカ騒ぎの結末を問うてみた。
「結局根負けして」
「抱いたのか?」
「……指で気をやらせて寝かしつけた」
「リセット様は納得したのか?」
「勘違いしたままだろう、きっと」
気づいた時にどうなるか……巻き込まれさえしなければ少し楽しみだ。
「パ〜パーーーーー!!!!」
あ。
噂をすればなんとやら。
「ヤバい、隠れさせろ!」
上空に気を取られていた私はランスの行動を止める暇が無かった。
コイツは。
あろうことか私のスカートをめくり、中に飛び込んできた。
しばしの思考停止の後最良の選択肢を選び出す。
それすなわち――
「あ、レナ。パ〜パ知らない?」
「あのバカならここに」
蹴りだす。顎につま先が入ったがまあ、死にはしないだろう。
「どうぞ遠慮なく、情け容赦など無く、リセット様の本懐を遂げてください」
「うん、もちろん!」
「ちょっと、待てレナ!」
「はいはい、パ〜パも往生際が悪いよ〜」
「状況が状況だ、悪くもなるわ!!」
娘に大通りを引きずられていくランス。
私は二人分の支払いを済ませ家路に着いた。

その後? 
それは私の関知するところでは無い、とだけ言っておこう。
リセットエンド

ランスってシリーズが進むごとに丸くなってません?

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