――ワーグ勝利編

「ふふ……ふふふふふ……」
気合の勝利とでも言うべきか。出目は6ゾロ。
あがりへと歩を進めるワーグ様の背後に黒い影が見えるほど鬼気迫る表情で。
「ワーグ、落ち着け。お前の素は心臓に悪い」
「別にランスを取って喰うわけじゃないわよ。……賞品は賞品らしく言うことを聞きさえすれば」
「で、どうしろと?」
「セリスをあんたの家に監禁。そうね、とりあえず1週間で許してあげるわ」
「監禁てお前な……」
「じゃあ、軟禁で。とりあえず、無敵断ちをさせるのよ」
「その間に無敵をモノにするのか?」
「時間が来ればそうなるからただ二人に距離を取らせるだけ。もちろん、居ない分甘えるけど」
ぺろりと舌なめずりするワーグ様。
……とりあえず、無敵様の冥福を祈った。

――3日後
ランスの自宅を無敵様が急襲した。
完全な奇襲だったためさすがのランスも出し抜かれセリス殿の奪取を許した。
その後、大陸中をアースガルドで走査したが二人は見つからず……。
「出て来いプランナーー!!」
「そんなに怒鳴らないでも出て行くよ」
アースガルドの指令室で大陸走査の手伝いをさせられていた私の側に唐突に現れる現創造神。ほぼ面識は無いのだが向うは知っているらしい。さすが神ということにしておこう。
「無敵とセリスとリセットを連れ戻して」
「どこかに行ったのかい?」
「とぼけないで。大陸中どこにも居ないなら可能性は一つ。無敵が使徒を残してきたあっちの世界。そっちに逃がしたでしょ?」
「う……鋭い……」
少しだけ聞いた事がある。リセット様、ワーグ様、無敵様の3人は異世界に行ったことがあるのだと。大陸に居ないという結論を私が告げた時、すぐにその可能性に気付いたらしい。
「で、どうしろと?」
「連れて行け」
創造神に命令形。さすがワーグ様。恐るべし。
私はただ傍観しているしかない。
「仕方がないな……本当はこんなに気軽にやりたくは無いんだけど……」
「では、私は城にもどります」
私の仕事は終わったのでさっさと退出するとしよう。
「ついでにコイツも連れて行くから」
「……は??」
「いい事思いついたの。無敵のはおそらく悪司の組織に入るわ。だから敵対組織に入って無敵を奪うの。あんたは参謀ね」
「いいのかい?」
ちっとも良くありません。時間の流れが違うという異世界。少しはなれるだけで仕事が滞る。私はランスの望む世界を創るため日々頑張っているのだ。ワーグ様のわがままに付き合わされるためでは断じて無い。
無いのだが。
……逆らえるわけもなく。
「1週間で終らせますよ」
「もちろんよ」
はぁ……なんでこんなことに……。

ワーグエンド

続・リセットのオオサカ武勇伝に続きます……。

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