第33章 集結

―魔王城 玉座の間
いつもなら開放されているその扉が今日に限って閉じられている。召集にあわせてやってきた魔人達は立往生していた。
「ホーネット、これはどういうことですか?」
少し遅れてきたケッセルリンクはその状況に困惑しホーネットにたずねた。
「それが私にもさっぱり……集合時間になっているのですが……。ワーグあなた何か聞いていませんか?」
「知らな〜い。リセットちゃ……じゃない、魔王様しばらく遊んでくれないんだもん」
お子様モードのワーグをケッセルリンクはあきれた目で見た。
(貴女まだ猫かぶってるんですか?)
(うるさいわね、生き方をいきなり変えるのって難しいのよ)
「ワーグも知らないのですか。誰か今日リセット様を見かけた人はいませんか?」
「そーいや、今朝見た気がするな。なあ、マルチナ?」
「ええ、確か地下牢のほうに歩いていった気がする」
「地下牢、ですか……」
地下牢の一番奥には魔人となった小川健太郎が監禁されている。その健太郎をリセットは気にいらない事があるたびに痛めつける。以前その場に居合わせたホーネットは吐き気すら覚えた。
「―ネット、なにをぼーっとしているのです? 開きましたよ」
ケッセルリンクに声をかけられホーネットは我にかえる。顔をあげてみれば玉座の扉が開いていた。だが中は真っ暗。蝋燭一つですらついていない。ホーネットが入ったところで
明かりがともされる。魔人達の前に大きな檻があった。その檻をはさんで玉座にリセットが座っている。よく見れば檻の中に鎖でつながれた二つの影があった。一つは元リーザスの王女リア。
そしてもう一つは―
「マ……マリスさん?」
もう一つの影、その顔はまぎれもなくマリス・アマリリスだった。だが、その体はデカントのものだ。あまりのアンバランスさに滑稽にすら見える。
「リセット様、これは一体?」
「何って、見てわからない? これからマリスに最期の罰を与えるの。最愛の王女様を自分の手で犯しそして殺し、引き裂いて食べてもらうわ。肉の一片も残さずに」
リセットのセリフとともに中の二人の鎖が解かれた。
「リセット様! 裁かれるはマリスだけでいいはず! リアに何の罪が?」
ケッセルリンクが珍しく大声を出す。その隣でワーグがギリリと奥歯を噛みしめた。
「ダメよ、おじ様。これは考えられる範囲でマリスに課せられる最もきつい罰。リアを許しちゃったら罰にならないじゃない。それにおじ様の所にいたころの記憶はもうないから気にする必要はないわ」
「しかし……!!」
「黙りなさい」
リセットの、魔王の命令。もはや黙るしかない。
檻の中ではマリスがゆっくりとリアに近づく。
「リア……様……お逃げください……」
「マ、マリス? 何がどうなってるの!?」
リアは異様なマリスの姿に腰を抜かし座り込む。マリスはボロボロと涙を流しながらリアの腕を捕らえる。
次の瞬間その腕が引き抜かれた。
絹を裂いたような悲鳴が上がり多くの魔人が目を伏せた。見るに耐えないこの状況でもこれが魔王の意思であるため彼らは口を出せない。
「マリス、もう一本も千切りなさい。あ、その前にその腕食べちゃって。愛しいリア様の肉だものきっと極上の味がするわ」
マリスの、デカントの腕は本人の意思とは逆に口元へリアの腕を運ぶ。咀嚼音が聞こえ出すとカミーラですら気持ち悪そうに目をそむけた。
リセットはその様子を微笑みながら見ている。
腕を食べ終えたマリスはすすり泣くリアに腕を伸ばす。リアは半狂乱になり逃げようとする。しかし、檻は狭く逃げる場所は幾ばくもない。すぐに捕まって腕を引き千切られる。
「それを食べたら次は、そうね……愛しのリア様を抱いてあげなさい。あなたに付けてあげた大きいモノでたっぷりと愛してあげて」
檻の外でケッセルリンクは何かを決意したように拳を握りこむ。それを横目に見たワーグはスッと目を閉じた。そして小さく誰にも聞き取れないくらいの声で呟く。
「最期くらいいい夢に抱かれて死になさい……」
同時にマリスの動きが止まる。ミストフォーム・オン。霧と化したケッセルリンクは檻をすり抜けマリスの頭上で実体化、同時に長く伸びた爪でマリスの首を跳ね飛ばした。
頭を失った体は地響きを立てて崩れ落ちる。跳ね飛ばされた首は檻に当たりリアの前に転がり、止る。
「マリ―」
リアが何か言おうとしたがそれより先にマリスの頭が弾けた。欠片を全身に浴びリアはあっさり気を失った。マリスの頭部があった場所には黒い大剣が刺さっている。自然と魔人全員の視線が玉座に集まる。
魔王リセットは立ち上がるとケッセルリンクを見据えゆっくりと近づく。
ケッセルリンクは自分の命がもう残されていない事を自覚した。主の楽しみを台無しにしたのだ。反逆罪で消されるだろう。
「おじ様、なんでマリスを壊したの?」
「……」
「だんまり? いいわけくらいしたらどう?」
ケッセルリンクは何も答えない。答えたところで自分の運命は変わらないと思っていたからだ。
突然リセットはケッセルリンクの首を掴んだ。同時に足払いをかける。
「!!?」
ケッセルリンクの体が宙に浮き、首を掴まれたまま床に叩きつけられた。床が大きく陥没しケッセルリンクの体が軋む。とどめとばかりにリセットはカオスを振り下ろす。抵抗する暇は無かった。
が、額の数mm前でカオスが止まる。
「なんてね。殺されると思った?」
「……違うのですか?」
リセットはケッセルリンクを放すと玉座に戻る。
「カラーは殺さない。人間みたいに愚かな同族殺しはやりたくないから。それが私の誓い。それに魔人は全員計画に組み込まれている。いまさら減らすわけにはいかないわ。……そういうことだからワーグも咎めないわ」
「……なんだ、ばれてたの」
ワーグは悪びれもせず呟き、ケッセルリンクはフラフラと立ち上がるとリアを抱き上げ玉座の間を出て行こうとした。
「待ちなさい。魔人を呼び集めたのはこれを見せるためだけじゃない。大事な話があるの。ホーネット、リアの治療をして」
「はい」
「もうそろそろ主賓が来るはずだから全員ここで待機。別におしゃべりくらいしててもいいわよ」
リセットの言葉にホーネットは首をかしげた。
魔人のほかに誰を呼ぶのかと。待つこと五分。誰もこない。
「……遅いわね」
リセットはコンコンと肘おきを叩き始めた。イライラしている証拠だ。
さらに10分。まだ誰も来る様子は無い。
魔人達がハラハラし始めたころ玉座の間の扉が開かれた。全員がそちらを向く。が、誰もいない。
「あはは、見事に引っかかったね」
笑い声はリセットの背後からした。白いローブを着た、それなりに顔の整った男だ。
「悪いね、リセット。この子を出すのに手間取った」
男が抱いているのはアールコートだった。
「氷が思いのほか硬くてね。さ、ホーネット彼女を治療して」
「は、はい」
なぜだか知らないが男はホーネットの名前を知っていた。それどころかその気配は何度か感じたことがある気がした。
「そろそろ紹介するわ。彼が協力者、プランナーよ」
「よろしく」
魔人たちは唖然としている。プランナーの名前の意味する所を知っているから。
いきなり最上級神だと言われても素直に受け入れられるわけが無い。
「みんな疑り深いな。仕方ない。これで信用させてあげよう」
そう言ったプランナーが取り出したのは何冊かのノート。それぞれに魔人の名前が記されている。
「ここには君達一人一人の人生が記されている。嘘偽りは無い。いくつか読み上げれば信じてもらえるだろう。まずは……カミーラからいってみよう」
名前を呼ばれたカミーラは訝しげにプランナーを見る。
「最近のことでいいか。魔王ランスが死んだ夜、君は使徒ですら追い出し一人で飲んでいた。酒が回り始め体が火照った君は魔王ランスとの情事を思い出し一人で―」
「消えろ」
巨大な火球がプランナーを襲った。だが何一つ焦げていない。
「信用してくれたかな? 君しか知らない事だろう?」
黙り込むカミーラ。どこかしら顔が赤い。怒りか羞恥心かは謎。
「では次、ホーネット。君の場合は昔の事にしよう。まだ君が人だった頃、オシャレに興味を持ち出した頃のページを開くとしよう。ある日君はシルキィの部屋に忍び込み自分の服を脱ぐとシルキィの―」
「わあああああああっ!!」
ホーネットは突然大声を出した。顔は真っ赤になっている。
「これも本人しか知らない事実。まだいくつかあるけどもう理解してくれたろ?」
自分の心の奥底にしまった事実を知ることなどリセットでもできはしない。第一そんな技術聞いた事も無い。
「……5千年近く経って姿が変わらない理由、そういうことなのね。やっと納得がいったわ。お久しぶり」
発言者はワーグ。口調がいつもと違いケッセルリンクとリセットを除く全員がワーグを見る。ただ二人の間になにがあったかは誰にもわからない。
「覚えていたのか。懐かしいね。あの頃はまだ色々試行錯誤していた時期だった」
「私はその一環というわけね。それで? 私を今まで生き長らえさせた理由、聞かせてくれるわよね? リセットでも貴方でもどっちでもいいわ」
リセットとプランナーは顔を見合わせる。一瞬置いてリセットが立ち上がった。
「そういえばまだだったね。大事な話にも入ってなかった。今日呼び出した理由とワーグが5千年の時を生かされてきた理由は同じ物。……神を……創造神ルドラサウムを追放するため。それがみんなを呼び出した理由よ。もちろんワーグが魔人にされた理由でもある」
リセットは言葉を切り今の言葉が浸透するまで待つ。ルドラサウムの名を知らぬものはおらず玉座の間は大混乱に陥った。
「一体なぜそんなことを?」
「全てはパ〜パの遺志」
「ランス様の……?」
「そう、パ〜パが魔王になった時、魔王という存在がルドラサウムを楽しませる駒でしかないと知った。……支配されるのを嫌うパ〜パはこれを打ち破るべく計画を立てた。だけど、魔王だけの力ではどうにもならないのも分かっていた」
「その時に僕が姿をあらわしたのさ」
リセットの話をプランナーが引き継ぐ。
「そこまでも、そこから先も僕の考えていたとおりになった。ルドラサウムに対抗すべく無限の可能性を持つ個体を作り出し、彼、変動因子ランスを使えるかどうか判断するためにいくつかの彼専用のシナリオを用意した。結果、彼はルドラサウム追放の核になれると判断できた」
ほとんどの魔人には意味がよく分からない。だが、一部にはプランナーの言いたい事がはっきり伝わる。
「ちょっと待ちなさい」
志津香の口調は相手が神だとしても変わらなかった。
「いくつかのシナリオってまさか……」
「カスタムの事件もその一つ。ヘルマンによるリーザス城陥落、闘神都市の墜落、ウエンリーナ誘拐もそのシナリオのうちだ」
「……私達はあんたの手の上で踊ってただけってこと?」
「違う。僕がシナリオとして与えたのはきっかけだけだ。その後どう行動するかは変動因子本人に任せた。君達についても同じだ。……話がそれた。もどしてもいいね?」
疑問形だが反論を許さない圧力があった。
「彼に力を与えるに当たって彼の好みに合わせて創ったパートナーの少女をきっかけにした。魔王となった彼は僕から世界の真実を知りルドラサウム追放と引き換えに魔王になるきっかけになった少女を再生させる事を条件にした。それから彼は日々僕と接触し計画を練り続けた」
話のスケールが大きすぎて誰もが困惑している。もっとも頭の回転が速いであろうホーネットも完全にパニック状態だ。
「あの……一つお聞きしたい事があります」
声の主は意識を取り戻し、話を聞いていたアールコートだ。
「ん? 気がついたか。それで、なにが聞きたい?」
「あなたは王様もシィルさんも創ったと言いました。……以前、いけないとは思いつつ王様の過去を調べました。けれど分かったのはシィルさんと王様が出会ってからの記録しか残っていないのです。一方でシィルさんは奴隷として売り飛ばされたいきさつを話してくれました。しかし、二人が会う以前ゼスにシィル・プラインという女性は存在しませんでした。……ルドラサウム追放の手駒として王様が創られたのは一体いつなのですか?」
「おそらく君の中で答えは出ているはずだ。彼らがこの世に生まれたのは二人が出会う前日。それまでの記憶は全て僕が作り与えたもの。変動因子とそのパートナーとして動けるだけの最低限の技量とともにね。それと一つ訂正させてもらう。彼を作ったのは手駒としてじゃない。パートナーとしてだ」
ランスは過去も名字も語ろうとしない。それは語りたくても語るものが無い、偽りの記憶と本能的に知っていたのかもしれない。
「じゃあ、何? 私達がランスと会ったときってまだ3歳にも満たなかったって訳?」
「彼が生まれてからの時間はね。だけど、肉体の方はちゃんと成熟してたでしょ?」
「そ、そりゃそうだけど……なんか複雑ね」
「……どうも話がそれやすい。質問は後でまとめて受け付けることにしよう。さて、ここで君達に質問がある。なぜ、大陸から争いがなくならないのか? 答えられる者は?」
「簡単だ。人間が欲深すぎるからだ。常に弱者を虐げ高みに立とうとする」
「なるほど。カイト、それは君の人生を振り返って出した答えというわけだ。だが、僕の質問の答えとしては不十分だ。何も人間に絞る必要はない」
玉座の間が静かになった。みな考え込んでいる。
「腹減った〜マルチナ〜」
「これ終わったらへんでろぱ作ってあげるから我慢してね」
……一部不真面目だが。
「……さっき、魔王が神を楽しませる手駒だって言ってたわよね? 神の楽しみが争いなら……神の影響力が働いている、とか?」
ワーグの真面目な発言にホーネットなどは未だについていけない。今までとのギャップがありすぎて切り替えができていないのだ。
「そう。ワーグには80点をあげよう。さすが最年ちょ―ぐふっ!?」
プランナーはワーグの飛び蹴りを喰らって吹っ飛んだ。
「なかなかいいキックだ、ワーグ」
「バカ言ってないでさっさと話を進めてよ」
「それもそうだね。さて、僕の書くシナリオと言うのは大まかな方向性や設定を決める物でしかない。実際にその進路へ世界を進めて行く力、すべての生物の魂に刻み込まれたルドラサウムの影響力。僕は便宜上―」
プランナーは突然言葉を切った。そのせいで緊張感が高まる。
「くじらちゃん因子と呼んでいる」
張りつめた緊張が大きな音を立てて崩れ去った。魔人達は固まっている。
続いてリセットがカオスを投げた。
サク。プランナーの顔のど真ん中に命中。
「ワーグも言ってたでしょ? バカ言ってないで進めなさい」
「ちょっとした冗談のつもりだったんだよ。あまりにみんなが緊張してるからそれをほぐそうと思っただけだよ」
まだカオスは刺さったままでこれも冗談なのかどうか魔人達は計りかねた。
「コホン……では改めて―」
「あの……カオスはそのままでいいのでしょうか?」
と、ホーネット。小さな声で控え目に聞いてみた。
「あ、忘れてた。ありがとう」
プランナーがカオスを抜いたと同時に傷跡も消えた。
緊張はほぐれたが場の空気はなんだかすごい事になっている。
「コホンコホン。今度は真面目にいこう。僕はそれを『龍因子』と呼んでいる。すべての生き物は争いを呼び込むあらぶる因子を持っている。人間も、魔物も、魔人も魔王もだ。
そして、その力は人間の、魔王への抵抗に大きく影響した。……結果、魔王は人質を取られ窮地に陥った。……僕も『龍因子』の影響力を再認識したよ。……彼は自分が『龍因子』に圧倒されていた事を自覚してそれを打ち破る策を娘に託した。それからはうまくいっている。もっとも『龍因子』の影響を受けやすい人間をほぼ全滅に追いやる。以前の二の舞になる事だけは避けなくてはいけなかったからだ」
誰もが話のスケールの大きさについていけていない。全員が理解し切るにはだいぶ時間がかかった。
「なぁ、マルチナ。ルドラサウムって美味いか?」
「う〜んどうだろう? くじらは料理した事ないからわからないわ」
……あいかわらず一部不真面目だが。
「さてと、どんな質問でも受け付けるよ?」
「では、私から」
そう言ったホーネットが一歩進み出た。
「リセット様の理由や今に至るいきさつなどは聞きました。では彼方が神に逆らう理由をおきかせください」
「僕の理由か。あきた。この一言に尽きるね」
一瞬の間。そしてホーネットは声を荒げた。
「あきたって、そんな!!」
「事実だよ。もう数え切れないくらいの年月を同じような戦乱に向うシナリオばかり書かされる。何千年か前、地上をふらついていた時にワーグを見つけた。その時ふと思いついた。地上の生き物と手を組んでルドラサウムと決別しようと。さあ、これが僕の理由だ」
「ではなぜ、当時の魔王と手を組まなかったのです? 魔王でよかったのなら今まで待つ必要はなかったはずです」
「待つ必要があったんだよ。理由の一つはワーグの能力だ。夢に堕とした者の魂をラッシーの中に閉じ込めるというあれだ。……ルドラサウムの体は魂の集合体だ。地上にある魂とルドラサウムを構成する魂。そして、悪魔達が保有する魂の合計数は一定なんだよ。地上に魂を縛り付けると言う事はルドラサウムの力を削ぐことになる。とはいえワーグ一人では微々たる量だから時間がかかる。100年くらい前でだいぶ弱っているのが確認できた。今のあいつは僕を通さないと世界をみる事もできない」
「100年前に確認できていたのならなぜ、父ではいけなかったのです?」
「ガイはルドラサウムに直接支配されたいた。同時にプランナーの候補でもあった。戦乱への道をわざわざ天界で作ることはない。地上でもそれと同じことができるのではないかという実験例だった。結果、ルドラサウムの思うほどうまくいかなかったようで僕が今も存在していられるけどね」
「では次の―」
「はい、ストップ」
突然リセットが割り込んだ。しかも、魔人に対する強制力まで効かせているためホーネットは口をつむぐしかなかった。
「そろそろ時間よ。全員アースガルドへ。マリア、パイアールすぐに発進準備をしなさい」
「は、はい!」
マリアとパイアールが慌てて玉座を出て行き、リセット、プランナーがそれに続く。
残りの魔人たちもすぐそれに続いた。

―アースガルド ブリッジ
「みんないるわね? 作戦を説明するわ。……っていっても、あんたたちのやる事はルドラサウムの直接支配下においているエンジェルナイト5千体を倒すだけ。ただしエンジェルナイトには魔法が効きにくいから注意は必要よ。ルドラサウムの方は私とプランナーで相手をするから。今から古代遺跡上空に着くまでは自由時間。この先世界がどうなるか分からないから有意義に使いなさい。あと作戦前に一つ。一人も欠けずに戻りなさい。これは命令。私からではなくパーパからの」
「はっ」
「プランナー、私はちょっと城に戻るわ。つく頃になって帰って来なかったら迎えにきてちょうだい」
「いいよ。その間に最後の調整を済ませておく」
「たのんだわよ」
リセットが姿を消し魔人たちも散っていった。それぞれの胸に色々な思いをいだいて。


あとがき

う〜む、後半のセリフが長くて読みにくい。……なんとかしたかったのですがいかんせんどうにも。ここをすっ飛ばすと話が進みませんので我慢してやってくださいな。
ところでプランナー以外の三極神(?)についての情報求む。これが、名前もわからなかったのです……。今のところ登場の予定はありませんがそれが覆るかもしれません。

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